2009/09/04

マグダレンの祈り The Magdalene Sisters

今更だけど、ど~しても観たかった映画シリーズ!
「マグダレンの祈り」(2002年)です。 あまりにも衝撃的で、目が離せない映画でした。

この映画は、1996年までアイルランドに実在した「マグダレン修道院」で起きていた実話を元収容者が書いた暴露本が原作です。
この修道院は、当時のアイルランドで支配的だった厳格なカトリックの戒律による道徳観に基づき、婚外性交をした女性などを収容していた、いわゆる「矯正施設」です。

映画は、3人の少女が主人公です。いとこにレイプされたマーガレット、未婚の母となったローズ、男を誘惑していると見なされ孤児院から送られて来たバーナデット。1964年のある日、この3人の少女はマグダレン修道院に収容されます。

彼女たち収容者は、日々洗濯(自分の罪を洗い流すという含意が込められている)などの重労働に従事し、私語厳禁、囚人服のようなユニフォームの着用を強制され、家族との連絡を一切断ち切られ、監督するシスターや神父の非人道的虐待に苦しむ日々が続きます。

驚愕なのは、カトリックの名のもとにシスターが堂々と少女達から人権をはく奪し、弄んでいること、家族が本当に「一族の恥」として我が子を見捨てること、そして、ぬれ衣を着せられたまま一生出られずに「無駄死に」していく女性たちも多かったこと。

こんなことが、ほんの10年前までアイルランドで起こっていたとは。
少女たちは何の罪も犯していないし、むしろ被害者だと思う。
だけどそう思うのも、私の生きている時代と社会の道徳観でのモノの見方ということになるのでしょうか・・・。

考えさせられる深い映画でした。そして出演女優さんが全員、ハッとするほど美しくて名演技!

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