2009/06/06

The road to the Guantánamo

見逃したけどどうしても観たかった映画、パート2。
「グアンタナモ、僕達が見た真実」(2006、イギリス)。
この映画は、実話をもとに制作されたものです。
http://www.roadtoguantanamomovie.com/2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件。
その後、アメリカ政府によって、ウサマ・ビン=ラディンとアルカイダに首謀者の疑惑がかけられる。
そしてアメリカ主導で始まったアフガン攻撃。アメリカ政府によって「対テロ戦争」の一環と位置づけられ、国際的なテロの危機を防ぐための防衛戦として行われた(ことになっている)。 イギリスを始め多くの国がこのアメリカ政府の攻撃に賛同した(日本も!)。

グアンタナモ収容所はキューバにある米軍基地内にあります。
ですが、そこはキューバでもなく、アメリカでもなく、アメリカ軍法のみが適用される、「治外法権」のとんでもない収容所なのだそうです。
なのでここの収容者は「捕虜」としても「容疑者」としても権利を保障されない。
本来、アメリカ刑法の「容疑者」であればアメリカの権利章典に定める容疑者の権利が保証され、弁護士をつけることが認められる。また、「捕虜」であれば、ジュネーブ条約が適用され、拷問などが禁じられる。
しかしグアンタナモの収容者は、テロリストと疑われれば、裁判にかけることもなく、軍の独断と偏見で長期拘留されてしまうのです。
さらにアメリカと国交のないキューバ国内にあるため、マスメディアの監視もできないのだそうです。

映画では、パキスタン出身イギリス人男性仲良し4人組が、アフガニスタンをのんきに旅行中、突如紛争に巻き込まれ(うち1人はアフガニスタンにて死去)、拘束され、グアンタナモへ送られ、拷問を受けることになるのです。
アルカイダのメンバーであると認めるまで続く拷問、ビン・ラディンの消息を知っていると吐くまで続く拷問。戦争とは無関係な、平凡な無実の一市民が、拷問から逃れるためには「Yes」と言うしかないのです・・・。

グアンタナモには、イスラム系だというだけで疑惑をかけられ収容されている人達が大勢いるそうです。 これが、「不朽の自由作戦」?

映画のパキスタン人3人は生き延び、2004年に釈放されてイギリスへ帰れました。 映画の中でもたびたび本人が登場し、当時を語るシーンが映っています。 拷問シーン、戦争シーンは、演じているとはいえ、すさまじく描かれています。
これが事実だと言うのだから、人間はなんと愚かなんだろうと思わずにはいられない。
戦争においては、いかなる「正義」も存在しえない、絶対。

現在も存在するグアンタナモ収容所。
オバマ大統領は閉鎖を目指すらしい。果たして・・・?

グアンタナモで、みんなが「グアンタナメラ」を大合唱できますように。

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