2009/07/09

1リットルの涙

人は過去に生きるものにあらず、今できることをやればいいのです

小学生の時に読み損ねて、今更だけどどうしても読みたくて、図書館で借りました。今は単行本が出ているんですね。

泣き虫の私は、半ページに1回は泣きました。
土曜の夜、満員の終電、グスグス泣きながら、ティッシュで鼻かみながら立ち読みしました。でも、終電の乗客は酔っ払いばかりで、みんな自分の睡魔と戦っていて、他人に無関心。ラッキー。

読み始めてすぐに気付いたのは、文章が「三河弁」だったこと。我が故郷、愛知県の方言です。一気に親近感がわきました。
作者の亜也さんは愛知県の方だったんですね。

あまりにも有名な本だから今更説明する必要はないのかもしれませんが、この本は、著者の亜也さんが「脊髄小脳変性症」という病気と闘い、その日々を綴った日記を、亜也さんのお母さんが出版したものです。

「脊髄小脳変性症」とは、小脳や脳幹から脊髄にかけての神経細胞が破壊され、次第に体を思うように動かせなくなる神経難病です。
病気は長い間に少しずつ進行し、歩行や言語が不自由になり、病気の進行するスピードも病型により様々で一概には言えませんが、最終的には寝たきり状態になることが多いそうです。
原因不明、治療法なし。ただしいくつかの症状は軽減できます。

亜也さんは、15歳(中学生)で発病し、25歳で亡くなりました。
20歳でペンを握れなくなり、日記は終わっています。
日記には、亜也さんの言霊がいっぱい宿っています。
というか、そのものです。

「 お母さん、わたしのような醜い者が、この世に生きていてもよいのでしょうか。 わたしの中の、キラッと光るものをお母さんなら、きっと見つけてくれると思います。
教えてください。導いて下さい。」

「死ぬことばかり考えてこわいのです。
動けんもんね。マイッタ。
生きたいのです。
動けん、お金ももうけれん、人の役に立つこともできん。
でも生きていたいんです。」

「人はそれぞれ言いしれぬ悩みがある
過去を思い出すと涙がでてきて困る
現実があまりにも残酷できびし過ぎて
夢さえ与えてくれない
将来を想像すると、また別の涙が流れる」

「病室からいま見る青い空
我に一筋の希望を与えん」

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