昨夜、話題の映画「The Cove」を観に行きました。
http://www.thecovemovie.com/
第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したアメリカの作品です。
先週、東京と大阪の映画館が相次いで上映を中止したことで、ニュースにも取り上げられていました。
日本で行われているイルカ漁の実態を暴いた衝撃の作品です。
しかし、これを「反日映画」だとする一部の右派団体からの抗議を受け、映画館が上映中止に追い込まれたわけです。
今回の上映会は、映画館ではなく、とある雑誌編集者が自主上映をしたものでした。
ニュースで騒がれた直後ということもあってか、警察が出動して入場を見守り、物々しい雰囲気でした。前売券を持っていない客が、長蛇の列を作っていました。
映画上映のあと、ジャーナリストたちによるシンポジウムが行われました。
そして、なんと映画の主要人物リック・オバリー氏がサプライズゲストとして登場!
まぁ、それはさておき、シンポジウムの趣旨は、映画の内容の是非を論じるものではありませんでした。
参加していたジャーナリストたちが口々に訴えたのは、日本国憲法第21条が保証する「言論表現の自由」でした。
ジャーナリストたちが一致して発表した緊急アピールは以下のような内容でした。
「評価が分かれるような問題作と言われる映画は日本では上映できないのか」
「そもそも海外では広く公開されているこの映画が、作品で描かれた当事国の日本で公開できないというのは、日本における『言論表現の自由』の脆弱さの表れである」
「作品への批判は当然あってよいし、批判の自由が保障されることが大切」
「しかし、たとえ自分と相容れない価値観の作品であったとしても、発表する自由は認める。それが『言論表現の自由』の基本原則だ。そしてそういう作品こそ、広く議論されるべきで、作品そのものを封印してしまうことは、その機会さえも奪ってしまうことになる」
そして今日、ニュースをネットやTVニュースで見て、唖然としました。
シンポジウム参加者の一人であったジャーナリストW氏の発言(イルカ漁に比較的肯定的発言をした)のみが取り上げられ、まるでジャーナリストたち全員の意見、ひいてはシンポジウム自体の主張は“イルカ漁を弁護、映画は否定”みたいなまとめ方をしているんです。
マスコミの言うことなんて、半分ウソだと疑ってかかった方がいいとは常々思っていましたが、ここまで歪んで報道されるとは・・・。あるいは、私の解釈が間違っていただけなのか。
とにかく、私がシンポジウムで聞いた主張は、あくまで言論の自由、上映しないと始まらないということであり、映画の中身の賛否には一切言及していませんでした。
散乱する情報に翻弄されることなく、正しいことを見極められるようになりたいものです。
えてして「正しいこと」ひとつではないことが多いですが、そのどれもが「正しいかもしれない」あるいは「間違っているかもしれない」と立ち止って考えられるようになりたい。
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1 comment:
正しい情報、本当に見極めたいって思うよぉ。気になっていた映画だから、チャンスあったら観たいなぁ。また、話聞かせてね!
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